softtail.log | 自転車でのポタリング日記と自転車話+α

    酒合宿があまりにも自転車と関係なかったので

    ちょっと、なかば無理やり、自転車に絡んだ話に持っていきます。


    シャトーメルシャンで展示されていた、昔のワイン作りに使っていた荷車。

     1-R1175231.jpg

    見事な木造の車輪。
    外周は鉄製で、いわゆる「焼き嵌め」されている、と思う。外周のリム部分に相当する鉄を熱して、膨張した状態で木製の車輪を嵌め、鉄が冷えて収縮する力を利用してがっちり車輪と外周部を結合する。

    大八車などでも使われているこの手の車輪製造技術は、現代の自転車で当たり前のように利用されている金属スポークのホイールに駆逐されてしまった。

    金属スポークのホイールは、このような木製車輪に比べて圧倒的に軽い。そりゃ、あんな細い針金みたいなスポークで構成されているんだから、それはそうだろう。
    ではなぜ、現在のホイールは「あんなに細いスポーク」で強度を出すことができたのだろう。

    上の写真のような木製車輪は、木製のスポークが下部にきたとき、前後数本のスポークと共に車輪と荷台、すべての重量を支えることになる。
    だから極端な話、1本のスポークが荷車全体、いや車輪は左右にあるので実際はその半分だろといいたいところだけど荷車が傾いたときやでこぼこ道で跳ねたときのことなんかを考えると実際には荷車全体、いやそれ以上の(瞬間的な)荷重に耐える必要がある。

    一方、金属スポークのホイールはどうか。
    実は現代のスポークホイールは、スポークがびんびんに張られている(テンションスポーク)。
    要するに、一番下に来るスポークは荷車(でも自転車でも何でもいいけど)の重量見合いの荷重を受けるけれども、同時に他のスポークはハブ軸を「引っ張って」いるわけで、下向きに働く「重量見合いの荷重」と上向きに働く「スポークがハブを引っ張る力」の引き算で残った分しかスポークには負荷がかからないわけです。

    だから、1本のスポークで全重量を支える必要は無い。
    だから、あんなに細いスポークでホイールが作れる。

    なるほど、世紀の大発明だ。


    該当者氏「なるほどー、でも、タイムトライアルとかに使われるバトンホイールって、細い金属のスポーク使わないですよねー」
    ゆげ1号「あ、確かにそうだ!だいたいカーボン素材でぶっといスポーク相当の構造物が3本とか4本とかあるだけだ・・・」

    これはあれだ。技術革新によって「車体+ライダーの重量を十分支えられ」て、「十分軽く作れる」カーボン素材が出てきたからこそ、テンション張ったスポークでハブを引っ張る形にしなくても良くなったんだ。
    要するに、昔の木材では突破できなかった、「全重量を支えられて、なおかつ軽い」という条件を、進化した素材が突破したんだな。
    そんな技術の進化が、逆に駆逐されてしまった別の技術・方法論を復活させるなんて、なかなか面白い。


    技術は、循環するんだな。


    追伸:ちなみに上記のテンションスポークの話は、ロバート・ペン著「夢のロードバイクが欲しい!」に書いてありました。
    この本、近いうちにブログネタにしますが、かなり面白い!


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    Posted by ゆげ1号 on  | 0 comments  0 trackback

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