softtail.log | 自転車でのポタリング日記と自転車話+α

    藁人形の罠

    大好きな作家、石田ゆうすけさん。

    世界一周から東京一周まで、スケールレスな自転車旅をやり遂げる行動力。
    そこで出会う人やモノに向けるまなざし。
    美食とはまた違った、鋭い味覚。
    これらを商業文章として堂々とカネ取れるレベルに磨き上げる文章力。
    客観的な評価は良く存じ上げないが、私の主観的にはアクションとマインドと表現、3拍子揃ってる作家だと思う。

    その石田さんが今回書いたブログ。
    http://yusukeishida.jugem.jp/?eid=1797

    だめだ。
    この記事だけはまったくだめだと思う。

    2015年早々に起こったISISによる人質事件における、首相のスピーチ。
    首相が中東各国をまわった時、

    「イスラム国と闘う周辺各国に2億ドルの支援を・・・」

    という発言が不用意だったのでは?という国会での追及に対する

    「テロリストの思いをいちいち忖度して、気を配ることがあってはならない」

    という答弁に、石田さんは噛み付いているのだけど。

    ブログ前半をなぞってみると、まず「思い」ではなく「出方」という言葉を使うべきだと述べて、次に「相手の出方は読まなくちゃだめだろ」と続け、「相手の出方を読み利用されないようにうまくやるんだろ」と。

    で、やっぱり相手に利用されやすい言葉は使うべきじゃないだろ、と締める。

    これさ、「首相のもとのスピーチは、相手の出方を読んでいなかった」という「石田さんの考え」の根拠として、首相自身の「テロリストの思いをいちいち~」という答弁を引っ張ってきて、本人だって相手の出方なんて気にしてなかったんだよこれ、といっている。

    でもさ、首相は「思い」とは言ってるけど「出方」とは言ってない。
    だから、「首相の答弁」からは「首相がテロリストの出方を読んでいなかった」かどうかは判らないんだよ。

    はっきり言うけどさ、これは詭弁。
    相手の発言を捻じ曲げて自分の説の根拠にしてるんだから。

    首相のスピーチの是非、今回の政府対応、そういった諸々についての石田さんの考え自体にはここでは敢えて触れない。
    人がどんな意見を持とうが自由だし、個人的にも首相のスピーチ自体はやはり軽率だったのかもって思う部分もある。
    でも実際には首相が中東訪問する前から二人は捕まってたわけだし、じゃあ今回テロリスト側に揚げ足を取られないようにふるまったとして、利用価値の無い二人はどうなったんだろうねって考えると、正直何が正しかったのか、まだ頭の整理ができていない。

    だから、この話の本質的なところについては、私は何かを書けるレベルには無い。


    たぶんね、自分だって、自分の強い思いを強く表現したいとき、何かを引き合いに出すことはほぼ無意識にやる。
    そして、よくよく考えたらその引き合いに出したものがもとの主題とは微妙に繋がってなかったりもすることはある。
    だから、人を騙そうなんて思って無くても、結果的に詭弁を弄してしまうことなんて幾らでもある、と思う。

    自戒。
    自分の感情を乗せた対象が、実は藁人形になっていないか。
    よくよく気をつけよう。

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    Posted by ゆげ1号 on  | 0 comments  0 trackback

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