softtail.log | 自転車でのポタリング日記と自転車話+α

    嫌々築地めぐり

     ひどいタイトルだ。

     どもです。気持ちが引きこもりモードのゆげ2号です。ガソリン不足でバスの本数が減ったり、路線丸ごと運休とかで、ここのところ公共機関が利用しづらいんですよね。それでなくてもベビーカーは場所取るしね。電車も本数減ってるし。先月から入っていた友人と会う約束も「帰れる保障がないから」ということでキャンセルせざるを得なかったし、別に"自粛"とか無用なことは考えていないのですが、なんだかウツウツしてしまうのですよ。

     そんな折、ゆげ1号から「築地に人が来なくてやばい。週末に行ってみてくるがよろし。」という指令が下りました。要は「たまには3号置いて、気晴らしして来い」ということですね。しかし、私は前述したとおりの状態で出かける気分になれずに、歯切れ悪くむにゃむにゃと言葉を濁していました。そこで、1号が付け加えるには、

     「ま、行くでも行かないでもどっちでもいいけど、ナビに築地までの"俺のおすすめ"コースは入れてあるし、KHS P-20の(タイヤの)空気は入れてあるし、油も差しておいたから。後ろにバッグもつけておいたし。いやいや、ほんとにどっちでもいいんだけどね。」…いやでも、途中でくじけて輪行で帰ってくるかもしれないし…あ、輪行バッグってどこいったっけ。「あ!輪行バッグなら、もう自転車につけてあるよ。いやいやいやいや、別に無理強いはしないけどね。」

     んげげっ、もうすでに準備万端じゃないスか!…ああ、ここまでされておいて行かないとなると、それはそれで後が怖い…。うう、仕方ない、ありがたく行って来るか…。

     そんなわけで、いつになく後ろ向きな気持ちでノロノロと支度をはじめ、ウジウジとサイクリングに出かけたのでした。はあ、重ね着してるのに寒いよお。風が冷たいよお。久しぶりの車道は怖いよおおおおおお~。



     走ってみれば確かに1号が"おすすめ"というとおり、機械で検索したまんまの最短ルートではなくて、ところどころ狭い路地を通ったりして、国道一直線の単調な道のりではないのですが、私側のコンディションの問題でどうにも調子が上がらないんですよねぇ。前日に1号がルート解説してくれたのに、まったく頭に入んなかったなあ。すまぬ、1号よ。

     そういえば「途中ですごい坂があるけど、短いからギアを落とせばなんとかなるよ。まあ坂というよりむしろ"壁"だけどね。」なんて言ってたっけ。坂の名前は忘れたけど。あれって、もうそろそろじゃなかったかなあ。…なんて、思っていた矢先、路地のゆるいカーブの先に文字通り"壁"のように坂がそそり立っていました。んがっ!これを登れってか?!

    坂 
     いやもう、自転車に乗っているのも怖いような斜度ですよ!助走できるような場所もないし、1号が言っていたとおりにギアを落としてどうにか途中までがんばったのですが、どうにもならなくて足を着いてしまいました。あああ~屈辱ぅぅぅぅ!

     でもね、いいの。こういうときは無理せずに押して登ればいいのよ。確かにそんなに長い坂じゃないしね。1号には馬鹿にされそうだけどね。ふう…と大きなため息をついて自転車を押しつつ、ふとナビを見ると…おや?ルートからズレている?…どうやら、登るべき坂はもうちょっと先だったようです。なんだよー、無駄にがんばって無駄にがっかりしちゃったよー。ったくさー、と自転車のブレーキを甘がけしながら歩いてゆっくり降りていったらば、坂の入り口にこんなものが立っていました。

    坂の名前 
     "狸坂"だあ?! なに、そのできすぎた小噺はっ!狸に化かされたっていうこと?! そゆこと?! もう、がっくりですよ。脱力ですよ。うがー!ですよ。え、1号が言ってた方の急な坂ですか?鳥居坂っていってですね、その坂の手前までゆるい坂が続いているのに、更に斜度がきつくなるのですけど、まあ、狸坂にくらべりゃあなんつーことはなかったですよ、ハイ。

     そうこういっているうちに東京タワーが見えてきました。そういえば、地震でタワーの先のほうが曲がったってニュースでやってました。新しい携帯(docomo N-02C)のカメラで取ってみましたが、伝わるでしょうか?

    東京タワー 
     曲がった先のほうが、太陽の光を反射して白っぽく見えてますね。うん、確かにちょっと曲がってるねぇ。

     それからしばらく走って築地市場に到着。以前にも利用した駐輪場に止めます。築地市場正門の、道路を挟んで向かい側にあります。地下だし、無料だし、おすすめです。
    駐輪場

     時間は12時を回っていましたから、もう築地場内は後片付けの時間ですね。しかも、食事処は観光客で一番混みあう時間帯。お昼を食べるつもりだったので、本当はもっと早く来るべきなんですけどね。1号は平日に場外のほうに行って「客が少なかった」って言ってたけど、今日は土曜日だし、人気のある店はそれなりに行列ができてるんじゃないか、と思われ。まあでも、場内をザッと見てから場外に行って食べればいいかなーと、とりあえず入ってみました。

     年季の入ったターレ発見。
    ターレ

     ターレがまばらでちょっと寂しかったです。前に早い時間帯に来たときは、ビュンビュン走ってたのになあ。そういや、若いお姉ちゃんが携帯メールをチェックしながらターレに乗ってて、「現代っ子やなあ」と思いました。

     あと、つい撮ってしまう実用車。 渋い。
    実用車

     で、向かうは前に行ったことのある"大江戸"。心が守りに入っているので、新しい店を開拓する気力はなかったです。しかし、混んでいるはずとの予想に反して、並んでいるのは10人くらい。以前来たときは、全員並ぶと通路がふさがってしまうので、一部を残して建物の外側のほうにズラーッと並んでいたんですけど。

    大江戸

     行列を整理していたお店のおばちゃんに話を伺ってみると、やはり「津波のことがあってから、客足が減ってしまった。この時間なら50人くらいは並んでいたのに。」とのことでした。そういや、外人観光客も全然見なかったですしね。

     やっぱり、お刺身とかお寿司とかハレの日にふさわしいものは現在の状況からいって敬遠されるのですかね。築地では魚がずいぶん余っているそうです。ゆげ2号のスタンスは「被災地に送れるものは送ってほしい。だから、缶詰や保存食は買い控えて、むしろ被災地に送れないような生鮮食品(野菜・果物・肉・魚)は積極的に食べる」なので、火を通さずに食べられるお刺身・お寿司は食べたほうがいいと思うのですがね。財政的にはキビしいので、毎日とはいわないけれども。

     そんなんで、たいして待たずに店内へ。がっつりといただきました。これがおいしくないわけがない。

    海鮮丼

     でもねえ、なーんかテンションがあがらないんですよねぇ。根が食いしん坊なんで、おいしい物が食べられれば気分が明るくなるかと思ったのですが、なんというか、満たされない。空虚な感じなのですね。体の中を冷たい風が吹き抜けていく感じ。

     これは比喩ではありません。ほんとうに寒いのです。自転車から降りて汗は冷えるし、風はいよいよ強く冷たくなってくるし、目的地に着いたってのに、むしろテンションはだだ下がりです。1号には悪いけど、やっぱりくるんじゃなかった…。帰りはバッチリ向かい風になることを考えると、憂鬱になるし、全然楽しくない。一応、場外市場に足を向けてみたのですが、ズラッと並んだお店を見てもちっとも心が動かないのです。

     1号と3号にお土産を買っていこうと思ったのに、全然そんな気分になれない。強風にあおられてトロ箱は飛んでくるし、それにつまづいてこけそうになるし、気分はかなり最悪です。ああ、心も体も冷え切ってる。絶対カゼひくなあ。いやだなあ。もう、なにもかもいやだなあ。

     そんな感じで、出かける前よりも更に鬱々と場外市場をさまよっていましたら、目に留まったのがこれ。
    本マグロ・中トロ
     ふーん、築地だからって型をマグロ型にしてあるけど、結局は鯛焼きでしょ。名前だけは観光客が喜ぶようにしちゃってさ。別の張り紙に書いてある、"甘酒 300円”って高すぎでしょ。だれも買ってないし。いくら大吟醸"酔鯨"の酒かすを使ってるからってさあ、客を舐めてんじゃないの。

     …パクパク。
     …ゴクゴク。

     それから、串に刺した卵焼きなんてのもありましたねぇ。確かに卵焼き一本なんて買わないけどさ、だからって観光客向けに「食べ歩きできますよ~」ってのも、ちょっと媚びてる感じでどうかと思うよね。老舗がそんなんでいいのかね。

    串卵

     …あ、甘さ控えめのほうので。大根おろし乗せてください。
     …ハフハフ。モグモグ。

     あれ?なんだかとってもポカポカしてきた。あー、そーだよねー、海鮮丼じゃ体は温まらないよねー。そっかー、まだおなかが満たされてなかったのねー。いやー、鯛焼きならぬ鮪焼き、皮がパリパリしていけるわー。甘酒も大吟醸だけあって、むちゃくちゃおいしいし、飲める程度の熱さなのにすんごい体温まるしー。卵焼きも、プロが作ると旨いねー。思わずお土産買っちゃったさ。

     その後、乾物系をいくつか買い込みました。結構お客さんが来ているように見えたのですが、お店の方の話によると客足は以前の1/2くらいだそうですよ。

     気がつくと時間がたっていたので、帰路につくことにしました。向かい風はやっぱり憂鬱だし、走っててあんまり楽しい感じではないですけどね。それでも、ゆげ1号おすすめコースにしたがって、無駄に明治神宮外苑を一周したり青山墓地を突っ切って石畳でコケたりしつつ。なんでか、西日が差した青山墓地は暖かい雰囲気だったなあ。怖くなかった。

     そーいや、三車線のY字路を車と一緒に右折しなきゃいけないところは「1号めぇ~、これを右折しろってか~」と唸りましたね。迷った挙句、歩道橋でわたりましたけど。情けなくてちょっと泣きそうになりましたよ。

    どこだっけ 
     どこだっけ、ここ。確か港区。

     で、家に到着。まったく快適でも、調子よくもないサイクリングでした。けれど、それはそれでおもしろみがなくはない。まったく楽しくないわけでもない。こうしてブログネタにもなったわけだし。

     そうして、サドルの上でつらつらと考えたのは、3/11のこと。私は次の日に行われるはずだった、TOKYOセンチュリーライド葛西2011にエントリーしていました。その日のお昼ごろはウェアのチェックなどしていて、前の週と前の前の週は50km走って、なんとか80km完走できるかなーと考えていて、朝早いから今日は早めに寝ないとーとか、遠足前の小学生のようなことを考えていました。
     
     外出中に地震にあった私は、状況がまったくわかっていませんでした。HPには早々にセンチュリーライドが中止になるとの告知が出ていると1号に聞いて、素直にガッカリしました。その地震がもたらしたもの、今もまだ続いていることなど、もちろんまったく予想の外でした。

     それからのことに比べれば、私が奪われたその週末の予定など、ほんのささいなこと、です。けれど、やっぱり、ガッカリしたのです。今も、走りたかったのになあと、こっそり思うのです。そのために2ヶ月間準備してきたのに、なんとか走れそうな自信がついてきたのに、と。

     そして、きっとあの日の昼までは、1万人には1万人分の、ささやかな週末の予定があったと思うのです。何十万ものささやかな予定があったはずなのです。それがあの日に、崩され、流されて、失われてしまった。失われるべき理由もなく、もちろん天罰なんぞであるはずもなく。

     センチュリーライドはいずれまた開催されるでしょう。私もたぶんまたエントリーして、参加すると思います。だから、私のことなんて本当にたいしたことではなくて、でも、だからこそ失われたものの事を、ずっと覚えているだろうな、と思いました。

     まだ整理しきれないものが心の中に渦巻いていて、自分に何ができるのかとか、結局何も出来ないのではないか、とかいろいろ悶々とあるのですけど、それはそのまま抱えていくのでいいのではないか、という気がしました。


     やらない善よりやる偽善。今はそれでいいのではないかと。


     走ってきてよかったな。ありがとね、1号&3号。


     全然関係ないですけど、築地土産の中で一番好評だったのは、トラふぐのひれでした。タモリ倶楽部で見てから興味があったんですけど、やっぱKINGに輝くだけあるなーと思いました。20枚で1000円は安いな、うむ。

     追記:お店情報を書き忘れてました。

     鯛焼きならぬ鮪焼きと甘酒:さのきや

     串卵:山長

     まだまだ寒い時期、甘酒はほんとにいいですよ。実は帰りにおかわりしました。

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    Category : ポタリング
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