softtail.log | 自転車でのポタリング日記と自転車話+α

    2010国立天文台野辺山 特別公開 その6

    by ゆげ2号

    ■ASTE(アステ)コーナー

     ここの解説者さんは珍しく女性の方でした。ほかは男性ばっかりだし、すぐお隣のアルマはやたらと賑わっていたのに、アステコーナーはちょっとひっそり(というか、アルマの解説者さんの話がうますぎるんだと思う)していて、小柄なお姉さんが控えめーに佇んでいる感じ。これはマンツーマンでお話を聞くチャンスだ!

     とはいえ、ゆげ2号の現在の知識では、アステについてわからなすぎでした。せいぜい、アルマに先んじてアタカマに作られたということ(先行部隊としての意味合いもあるのかな?)、アルマからちょっと離れて10kmくらいのところにあること、サブミリ波を観測することくらいしかわかりません。とりあえず、ポスターを読んで理解を深めることにします。

     (ポスター読み込み中…)ほほう、やっぱり周波数変換に超伝導素子使ってるんだー。サブミリ波の観測だもんね。約-270℃ってことは4K(ケルビン)だよね。ウフフ。おお!カメラは0.3Kまで冷やしてるのか!すごーい、冷え冷えだあ。しかし、こんなへんぴなところだと、液体ヘリウムの補充もたいへんそうだよなあ。へー、カメラの画素数って144画素しかないんだー。多ければいいってもんでもないだろうけど、意外~(現在開発中のカメラは1000画素くらいになるようです)。

     (さらにポスター読み込み中…)えーと、「標高4800mのサイトには、望遠鏡本体だけでなく、観測を支えるさまざまな施設(コンテナを改造した観測制御室、実験室等)が設置されています。」か、へえー、発電所や衛星電話もあるんだ。そっかー、なんにもないところだから、設備を全部用意しないといけないわけね。お、三鷹や野辺山から観測ができる?えー、すごーい!野辺山からできるんだ!ああ、だから、女の人でも大丈夫なんだな。だよねー、標高4800mなんて環境、過酷すぎるもんね。

     (さらにさらにポスター読み込み中…)ふむふむ、衛星通信を利用しているわけね。でも、通信速度どれくらいなんだろう。確か、死神博士さんは、10GBを無線通信する実験やってたっけ。まあ、さすがに10GBはないにしても、データとか結構重そうだし、それなりに必要なはずだよねぇ…。えーと、通信速度は、と………。はあ?!56kbpsぅ?んなバカな!20年以上前のモデム並じゃん!どゆこと?

    ゆげ2号「えーと、すいません。ここに56kbpsってあるんですけど、本当にこんな通信速度なんですか????」
    解説嬢「(ポスターをパタパタと手で隠して)いやぁ~、見ないでくださ~いっ。…ねえ、遅いですよねぇ…。」

     しまったっ!お姉さんを困らせてしまったみたい。遅いのを責めてるみたいに聞こえちゃったか?誤解を解かねばっ。

    2号「あ、いやいや、すみません。衛星通信の速度がこんなに遅いなんて知らなくて…。そうじゃなくて、その、一日分の観測データって結構データ量ありますよね、何GBとか」
    解説嬢「えーと、10GBとかありますねえ。あ、でも、思いっきり圧縮しちゃうので、5GBくらいになるんですよ!」
    2号「それで、ここに『インターネット経由で日本から観測できる』って書いてあったので、それだけのデータ量を56kbpsで送るの大変じゃないかなあって思って…。」
    解説嬢「あ~、それですか~。いやあ、おおまかなのはインターネットで見られるんですけど、詳しいデータはディスクとかで送るんですよ。」
    2号「はあ、なるほどなるほど。」

     ここでゆげ2号の頭にアルマのことが浮かびました。アステで5GBなら、アルマは?

    2号「そういえばアルマのデータ量って、精度が高い分、相当すごいデータ量になると思うんですけど、あっちもやっぱりディスクで送るんでしょうねー。」
    解説嬢「(ちょっと顔を曇らせて)…いぃえぇ…、あっちはそれ用に線をひくみたいですねぇ…。」

     えっ、アルマのほうは専用線を引いてもらえるってこと?専用線って引くのも維持費もすっごいお金かかるのに…。野辺山はアレがナニしてゆげ1号がヘッドロック&ボディブローを食らう羽目になったというのに…。いやいや、それよりも、またお姉さんを困らせてしまったかっ?!なんかフォローを入れねば!

    2号「あ、でもでも、アルマに線が引けたら、アステのほうでも利用できますよねー!」
    解説嬢「(さらにうつむいて)…んー、そうですねぇ…。2,3年したら、ちょっと貸してもらえるかも…」

     うわー!さっきからなんか、お姉さんの痛いところばっかり突いてるみたいだー!これはもしかして、「子宝に恵まれなかった夫婦の養女になったアステちゃん。はじめは可愛いがられてたのに、その後、次から次へ弟たち(=アルマ)が生まれ、そっちに手がかかるようになったら、アステちゃんはかまってもらえなくなっちゃった…」みたいなこと?!そゆこと?!(注:完璧にゆげ2号の妄想です)

     話題を変えよう、話題をっ!

    2号「いやしかし、本当に何にもない所にあるから、観測が大変そうですよね。電波望遠鏡の横にあるこれ、宿泊施設ですか?」
    解説嬢「(パッと表情が明るくなる)いえ、観測する施設です。ここには宿泊施設はないんですよ~。」
    2号「え?だって、近くに町とかないですよね?」
    解説嬢「3000m下のふもとに町があって、そこから毎日通ってるんですよ~。」
    2号「ま、毎日?3000mを?え、ええー?!」
    解説嬢「え~と、片道だいたい1時間半くらいかかります。」
    2号「…毎日、往復3時間ですか…。」
    解説嬢「あ、でも、異常気象のときがあったでしょ?近くの町で雪が降っちゃったっていう。そのときはこのあたりの風がすごくって、建物の屋根が飛んじゃって~。その日はさすがに帰りましたよ~。」

     そんな、台風の日は学校休みなの~みたいなノリで…。いやいや、だって、日本一高いという富士山で3776mですよ?空気も薄いだろうし、高山病とかあるはず。そもそも、4800mの3000m下ってことは、ふもとの町でも標高1800mくらいなわけで、それって標高1350mの野辺山よりもっと高いじゃないか!

     アステのポスターにも「空気は平地の半分程度しかなく、酸欠には十分注意して作業を進めなくてはいけません。このため、観測室内では酸素濃縮機を作動させておきます。」って、怖いことが書いてあるじゃないですか。ん?「酸素濃縮機」という設備があるのか。あ、そーかそーか、これがあるから大丈夫なんだ。だよねー。

    2号「この酸素濃縮機があるから、標高5000mでも大丈夫なんですねー?」

     しかし、解説嬢さんはハハッと笑って、

    解説嬢「いやー、ついてますけど、あんまり意味ないですねぇ」

     いやいやいや、そんなバカな。プロの登山家だって、高度に体を慣らすために、途中で何泊かするって聞いたことがありますよ。

    2号「だって、3000mも行ったりきたりしたら高山病とか…」
    解説嬢「慣れます!」きっぱり!

     ここで、ゆげ2号、大きな勘違いをしていたことに気づきました。いや、話がリアルだから「そうじゃないかなー。でもまさかなー。」とは思っていたけどさ…。このお姉さん、野辺山から衛星通信で観測している人なんかじゃない、現地で毎日アステに通っている人なんだ!天文台の特別公開は、まさに携わっているご本人が解説員をされているって忘れてたよー。

     うわーすげーすげー!もっとお話聞きたい~。しかし、ここでゆげ2号は、外に1号・3号を待たせていることを思い出しました(って、我ながら酷い)。アルマでも時間とっちゃったし、さすがにそろそろ戻らねば…。あれ、そういえば該当者氏はどこに?

     …該当者氏、イスに座ってアステのビデオを見てました。ずいぶん待たせてしまい、申し訳ない。

     ちなみにそのビデオ、アステを現地に設置するまでの真面目で地味なビデオなのですが(失礼)、赤茶けた大地の道なき道を、トレーラーの行列がゆっくりゆっくり電波望遠鏡を運ぶ様子が、不思議な大名行列みたいでよかったです。てっきり、分解して現地で組み上げるのかと思っていたのですが、考えてみたら、組み上げるための設備を運んでくるのもコストがかかりますもんね。日本で分解して、アタカマのふもとで組み上げてから運んでたんですね。
    アステ 
    ↑ いい絵だ。

     そんなわけで、世間的にはアルマに大注目なのでしょうが、ゆげ2号は苦労性のお姉ちゃん的存在、アステを応援します!三鷹の特別公開で、また色々話が聞けたらいいなあ。 

    。 

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    Posted by ゆげ1号 on  | 7 comments  0 trackback

    7 Comments

    該当者 says..."運送とかも"
    ”鉄”というわけでないですが、新しい電車が工場から回送されて車両基地に行くまでとかいうのは好きです。ディレクターズTVとか好きですね。
    ということでASTEが運送されているビデオを見ていたわけです。
    確か最初は2台で運んでいて、3台にしてもだめ、最後に写真の一番先頭にある4台目を連結して最後の難所を乗り越えた!という感じだったと思います。

    で、電波つながりで。
    世の中とんでもないことを一人でやってしまう人というのはいるんですね。

    40cmカセグレン自作の軌跡
    http://www.nicovideo.jp/watch/sm12128870

    はやぶさ模型を一人で作ってしまったという人もすごいと思いましたが、個人的にはその上を行った感じです。
    自分でレンズを磨いて作った上に(研磨機も自作だし)、アルマイト処理、コントローラまで自分で作るとは。。。万能すぎです!!
    2010.09.18 23:53 | URL | #195Lvy4Y [edit]
    ゆげ2号 says..."コメントありがとうございます"
    >ディレクターズTV
     こないだはじめて見ました。東京メトロ特集、よかった…。1号・2号・3号がそろって楽しめる、すばらしい番組でした。前2回も見ればよかったと後悔しましたよ。

    >いうことでASTEが運送されているビデオを見ていたわけです。
     ビデオの「動きませーん」って声は聞こえてました(笑)。地味とか失礼なことを書いてしまいましたが、お酒をちびちび飲みながら見たい感じ。

    >40cmカセグレン自作の軌跡
     「宙のまにまに」という高校天文部が舞台の漫画で、合宿でレンズ磨きをしてマイ望遠鏡を作る!という回があったけど、これは自作のレベルをはるかに超えてますね。「野生のガリレオ」…(笑)。

     かつて、天文ガイド愛読者だった1号が、この動画を見て大騒ぎしてたので、近いうちにコメントがつくと思われ。
    2010.09.19 01:16 | URL | #PtTZI1rk [edit]
    該当者 says..."宙のまにまに"
    持ってもます、宙のまにまに。
    癒し系というか、天文観測(ってあまり堅苦しくないですが)の良さを丁寧に書いてあるので読んでいます。

    でも、路万部長が物語風で星座の説明をしてくれていますが、なぜか星座は憶えられないんです。。。オリオン座と北斗七星はわかるんですけどね。。。それ以外はなぜか頭に入ってこないというか。。。
    星座と関係ないですが、山脈とかの山も駄目なんですよね。。。北アルプスも特徴のある有明山は憶えれるのですが、それ以外はどうにも頭に入ってこないんですよね。。。

    ちなみに最近はまっているのは 宇宙兄弟 ですね。
    同じ月開発を扱っている Moonlight Mile ほど話が重くなく話も政治的なところに発散していかないのでこちらの方が宇宙開発を楽しめるかもしれないです。
    もっとも宇宙開発はどうしても国家の縄張り争いや軍事に関係するのでMoonlight Mileの方がある意味”リアル”なのかもしれませんが(やっぱり「人類は地球の重力に魂を引っ張られている」んですかね!?)。
    と、偉そうなことを書いていますが、JAXAの人間でもないので実際のところはどうなのかわかりませんが。

    あと宇宙開発関連だとやっぱり プラネテス が一番好きですかね。特にアニメ版の方が。
    デブリの危険性はこれを見るまで全く気にもしていませんでしたし。こっちも政治的な話が出てきますが、Moonlight Mileより必要なときに必要な分だけ出てくる感じなのでえげつなさがないというか。。。
    あと ロケットまつりin三鷹 で展示されていた謎の構造体は木星往還船に似ていた気がします。
    2010.09.19 11:08 | URL | #195Lvy4Y [edit]
    ゆげ2号 says...""
    >持ってもます、宙のまにまに。
     持ってもますのか!活動内容が色々網羅されてて面白いですよね。ただ、帰宅部で過ごした身には羨ましくて泣ける部分もあり。

    >なぜか星座は憶えられない
     ああ、似たようなレベルかも。星座傘も買ったのに…。腕にオリオンの三ツ星を持つ身としては情けない限りです。実際に観測やってみれば覚えざるをえないのかなーと思うのですが。

    >ちなみに最近はまっているのは 宇宙兄弟 ですね。
     一般読者による漫画の賞で、2年連続2位!であること以外知らないですが、おもしろそうですね。プラネテスにもロケットを飛ばしている弟が出てくるから、ある意味宇宙兄弟か。リアルを追求すると政治的な側面を出さざるを得ないのでしょうが、読んでる方がしんどくなるのはちょっと…。

     完全にリアルの話ですが、ロケットまつりの本を読んでいると、現場は意外としたたかだなって思いました。というか、そうあるべきと思ってしまう私は職人タイプ。「偉い人はそれがわからんのですよっ」

    >あと ロケットまつりin三鷹 で展示されていた謎の構造体
     写真見ましたー。あれを見られただけでも行った甲斐はあったんじゃないですかー?聞くだにおもしろすぎて、色々言いたいことはあるのですが、そのうち1号が書くであろう話のコメントまで取っておこうと思ってます。

     出展知りたいですねー。
    2010.09.19 14:01 | URL | #PtTZI1rk [edit]
    該当者 says..."ASTEといえば"
    ふと思い出したのですが、以前どこかで見たASTEのところでとった夜空の写真はすごい綺麗でしたね。
    はやぶさ が大気圏で燃え尽きる写真に写っていた天の川を見てふと思ったりしました。

    で、コメントするたびに話が飛んでいきますが、「オネアミスの翼 王立宇宙軍」の小説が出てますね。
    宇宙の電池屋 曽根さんも初任給で王立宇宙軍のビデオを買ってNASDAの同期と見ていたとのこと。その同期の中に角野という女性がいました。
    そう、日本人2人目の女性宇宙飛行士 山崎さんです。本当に体現してしまったのですね。。。


    2010.09.20 21:26 | URL | #195Lvy4Y [edit]
    該当者 says..."国立天文台ネタということで"
    大川(star_hacks)さんがつぶやいていたのはこれだったんですね。

    はやぶさ探査機の大気圏再突入の地上観測
    -その最後の輝きは“中秋の名月”を超える明るさだった-
    http://chiron.mtk.nao.ac.jp/~satomk/hayabusa/result/index.html

    そしてこっちは聞いてちょっと感動してしまいました。

    「ただいま〜!」‥はやぶさ帰還時の衝撃波音を公開!
    http://www.miz.nao.ac.jp/rise/news_20100917

    通常ではあり得ない 明るさ(しかも新月かつ晴天) 、 音 、 二度と得ることができない体験だったんですね。。。現地に行った人が本当にうらやましいです。
    2010.09.24 22:17 | URL | #195Lvy4Y [edit]
    ゆげ1号 says..."やっぱり本体は"
    分裂して蒸発していったんだな。
    で、大気の塵となって、そいつが核となって水蒸気を集め、雨や雪になって帰ってくるんだな。

    衝撃波音、ウチのノートPCじゃ聴こえない。
    あとでステレオにつないで聴いてみます。
    2010.09.24 23:36 | URL | #- [edit]

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