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    2010国立天文台野辺山 特別公開 その2

    by ゆげ2号

    ■45m電波望遠鏡 前編

     レールの上を動くミリ波干渉計は大好きですが、天文台野辺山といえばやはり、45m電波望遠鏡です。長野の山々と緑に囲まれた中にドカッと佇むさまは、スケールが大きすぎて何度見ても笑っちゃいます。電車からも見えるくらい大きな建造物ですが、その迫力は近くまで行かないとわかりません。風景2

     主鏡パネルがポコポコと抜けていますが、珍しいことに修理の真っ最中だったのです。こういう風に取り外せるんですね。中身を初めて見ました。「じゃあ、観測できないじゃん!」と思ったあなた、ふふ、初々しいですね。そんなことではゆげ1号に「毎日やってるんだから、今日くらい休んでもいいんだよー」ってだまされますぞ。

     国立天文台野辺山の45m電波望遠鏡HPの『よくある質問』によれば、「45m望遠鏡でのミリ波の電波の観測は、大気中の水蒸気の少ない11月頃から5月頃まで行われています。 その間は昼間も観測ができるので、一日中観測をおこなっています。 もっと長い波長(センチ波)の観測は、水蒸気の影響を受けにくいので夏期に観測することもあります。」とのことです。特別公開日ははじめからこの期間を外して設定されているんですね。

    <国立天文台野辺山のHP内『よくある質問』
    http://www.nro.nao.ac.jp/~nro45mrt/outreach/faq.html


     ここで電波望遠鏡についての復習
    ○電波望遠鏡の操作・観測はすべて屋内のパソコンで行われているので、我々がイメージする「真夜中に屋外に出てレンズを覗き込んで~」みたいなことはしません。観測対象が電波なので、昼夜も関係なし。ただ、電波望遠鏡のある場所は軒並み高度の高いところなので、敷地内を移動中に地吹雪で遭難しかけたりってことはあるようです。

    ○野辺山の電波望遠鏡の観測対象は、「ミリ波」「サブミリ波」と呼ばれる、非常に波長の短い弱い電波です。どれくらい弱いかというと、水蒸気や都会の人口電波、観測用の機器から出るノイズさえ観測の邪魔になるほど。それで、受信機器を冷やしてノイズを抑えたり、超伝導の技術を使った受信機(こちらは冷やさないと使えない)を使います。だいたいは4K(ケルビン)=-269℃ぐらいまで液体ヘリウムで冷やすのですが、中には0.6K(0.4Kだっけ?)まで冷やすものも。

    ○電波望遠鏡の口径は大きいほど解像度=視力はよくなります。しかし、ミリ波を観測する精度を求めると、口径は45m電波望遠鏡でだいたい限界。そこで、ミリ波干渉計は6台のアンテナをつないでデータをあわせることで、直径600mの電波望遠鏡に相当する解像度が得られるようになっているのです。あったまいー!


     さて、せっかく触れるんなら、触っておかねば。行け!1号&3号!
    45mにタッチ 
     なかなか伝わらないかとは思いますが、ほんとにカメラに収まらないくらい大きいんですよー。真下は大きな日陰になって、3号のいい遊び場になってました。↓ この写真なら伝わるかな?
    45mの木陰 
     パラボラの影で遊ぶ3号、おおはしゃぎ。ちなみに、45m望遠鏡が動くときは、この敷地には入れません。

     こんなに大きいのに、パラボラ表面のデコボコの誤差は0.1mm以下、紙一枚よりも薄いくらいだそうです。すごいよなあ。パラボラの口径大きさだけならアメリカに100mのものもあるそうですが、あっちはセンチ波までの観測ですからねぇ。ただ、大きいだけに、野生の鳥が巣を作りまくるという意外な悩みがあるそうで。なんとか鳥たちを傷つけることなく寄せ付けないようにしようと、ネットを張ったり色々しているそうですが、決め手にかけるとのこと。本当に困っているそうなので、詳しい方はアイデアをお寄せください。

     では、次は電波望遠鏡の中へ。3号を連れては入れないので、交代で行ってきました。
    45mの中
     中は機械がぎっしり。もっとも、操作自体は電波望遠鏡のそばに立っている観測棟で行うそうですが。
    ケーブル巻き取り装置
     ケーブル巻き取り装置。説明によると、全体が-90°から450°まで回転するそうです。てーことは、えーと、1回転半するってことですね。このケーブルは地下で奴隷さんたちが、らっせらー、らっせらーと引っ張って電波望遠鏡を動かしている…わけではもちろんなくて、ケーブル一本一本が受信した信号を観測棟に送るためのもので、絡まらないようにしてあるそうです。すごい本数だ。

     あと、受信機の中身についての説明もありました。45mで主に使われている受信機は、SIS素子という超伝導素子を用いているものと、HEMT(ヘムト…高電子移動度トランジスタ)アンプで直接信号を増幅するものがあるそうです。それぞれー269℃、-253℃と冷え冷えにされています。

    ゆげ2号「SIS素子…もとこぉーーーっ!」
    ゆげ1号「SISそしっ!そーしーっ!」

     ゲフンゲフン…。さて、次は観測棟。ベビーカーでは入れないので、3号をおんぶして見学しようと思ったのですが、3号が「下ろせー!」と大暴れ&大絶叫。落ち着いて見学するどころではなく、ほとんど素通りで外へ出てしまいました。

     やっぱり交代で見学するしかないかーと話しているところへ、やっと該当者氏が登場。特別公開のこの日に寝坊で遅刻とは、いつもの氏らしくない所業なのですが…。とりあえず、かけつけ一杯ならぬ、ヤツレンのレアチーズケーキで一息入れてもらってから、事の次第を聞きだすことに。

    ゆげ2号「(ちょっと上から目線で)該当者氏が遅刻なんて珍しいねぇ。わしらは1号が休み取れて前日入りできたから、朝が楽だったよ~。仕事終わるの遅かったの?」
    該当者氏「いやー、昨日はつくばで仕事だったんですよ。でも、仕事が早めに終わったんで、上司に『JAXA行ってきていいですか?』って聞いたら、『いいよー』って許可下りたんで、見学してきました。はっはっは。」
    ゆげ2号「…(絶句)。」

     ちくしょー!あんたにはかなわねぇよ…orz。

     無事合流できたところで、改めて観測棟へ。とはいうものの、ゆげ2号としては、以前の見学で一度見ているところだし、ざっとは見られたからもういいかなーと思ってたんですよね。折り紙コーナーは初めてだったけど、子供向けで、大人が入るとお邪魔になりそうだし。それで、観測棟へは該当者氏とゆげ1号にゆっくり見てもらうことにして、2号は3号と周囲をお散歩してました。

     すると、建物のかげにNRO(野辺山宇宙電波観測所  Nobeyama Radio Observatory )のロゴが入ったシルバーのトライシクル発見!後方にキャリングカーゴを搭載した実用仕様ですよ!これが、天文学者さんの日々の運用を支えているのですねー。いやー、写真を撮り忘れたのが惜しまれます。

     …すみません。一応自転車ブログなんで、それっぽいことを書こうとして誇張した表現をしてしまいました。本当はおばちゃんが買い物行くのによく乗っている、量産型の三輪車の泥除けに黒マジックで「NRO」って縦書きで書いてあるだけでした。今は反省してます。もうしません。

     えーまあ、そうこうしていたら、1号と該当者氏が観測棟から出てきました。さ、次行こうかーと思っていたら、二人はなんだか興奮気味。いったい中では何が?!

    中編につづく

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