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    【書評】自転車の安全鉄則

     梅雨の季節はなかなか自転車に乗れないし、なぜかこの季節は仕事も立て込むしで、なかなかしんどい今日この頃。
    早く梅雨明けないかねぇ・・・


     そんななか、ブログの更新も滞り気味なのでたまには本の感想でも。
    つーことで、結構いまさら感もあるのですが、いまや自転車界を代表するおっさん、疋田智氏の『自転車の安全鉄則』について。

    自転車の安全鉄則

    自転車の安全鉄則

    価格:777円(税込、送料別)



     疋田氏はとにかく主張が力強く、筋も通っていて、それでいて文章が巧い。
    そんな氏がしたためた新書。

     この本の大きな主張のひとつは、「とにかく自転車は車道の左側走れ!」ということ。
    確かにこの本読めば、如何に「自転車の車道右側通行」が危険か、明快に論じています。
    このことを知る、そのためだけでもこの本は一読の価値あると思います。

     しかし、この本のテーマはこれだけじゃありません。
    自転車レーンがどうあるべきか、海外の自転車事情(特に自転車先進国であるヨーロッパの事例)、自転車に関わる道路交通法の改正に伴うドタバタの顛末記など、どっちかというと自転車社会論みたいな趣のネタが多い。
    そんなネタを織り交ぜながら、「都市交通手段として自家用自動車に取って代わるべき自転車のあるべき姿」を描き出しています。
    すなわち、自転車が時速20キロ程度ですいすいと走り回れるような都市交通インフラを整備すれば、エコだわ健康には良いわでもうえらい騒ぎ。でもそれを阻害しているのは自動車だったり行政だったりちゃんとした交通教育を受けていない市民だったりするので、それらの課題に一つ一つ、じっくりと粘り強く取り組んでいかなきゃならん、てな話。

     あと個人的に印象に残ったのが「安全」と「安心」の違いについて。
    クルマが怖いが故に自転車で歩道を走るのは「安心」だけど、必ずしも「安全」ではない。
    車道の左端を走るのは、「安心ではない」かもしれないけど、実は「安全」。
    確かに、歩行者よりドライバーの方が遥かに安全に対しては自覚的なわけで、そういう意味では車道を慎重に走るのが一番安全。これは車道走行に慣れれば誰でも実感できると思う。
    #でも逆に、慣れない土地で車道を自転車で走るのは結構「怖い」こともあって、あぁこれが「安心と安全の違い」なんだなぁって思います。


     だから、「自転車の安全鉄則」というタイトルについては、個人的には良い意味でちょっと裏切られました。
    つーか、このタイトル、完全に内容に負けてると思う。
    書名だけ見て敬遠しているムキには、是非一読をお勧めします。

    まぁ氏の雑誌連載などの寄せ集めという側面は否定できない(笑)のだが、何冊もの雑誌にまたがって書かれている内容が1冊にまとまっているのだから、それはそれでまぁよしと思います。



     で、ここから先は素朴な疑問。
    そもそも自転車VS自動車という構図は「戦術的」にどうなんだ?
    ゆげ家も実際にマイカーは売却してしまったので、まぁ自転車活用できれば必ずしも自家用車はいらねぇなぁって思うのですが、「自転車が走りやすい世の中」を目指すときに、自動車からの置き換えを声高に叫ぶのはどうなんだろ、ってのがちょっと疑問。

     だって、日本は暑い。氏が挙げる海外の事例は大抵日本より高緯度のヨーロッパばかり。
    よくわからんのだけど、少なくとも東京より暑い都市は、自転車大国の中でどれだけあるんだろう。
    逆に、そんな「暑いけど自転車天国」な都市があれば、是非その国の事例を知りたい。

    で、こんな暑い日本で、趣味のサイクリングは別として「日常の足」として自転車が担える距離はどれくらいか。
    夏場なら、さらにふつーの人なら、せいぜい5キロくらいが関の山じゃないかと。

    で、自家用車の大半が担う移動距離はどれくらいなのか?
    これがだいたい5キロくらいの移動に多用されているのなら、自転車への置き換えもまぁあり得るかなぁなんて思いますが、なんかこの辺が疑問なんだよなぁ。

     ついでに蛇足ながら、日本の基幹産業が何か?って考えると、わざわざ自動車に喧嘩売っても何の得にもならない気がします。
    氏もどこかで書いていましたが、別に自転車が自動車を駆逐するなんてことは起こりえないし、自動車メーカーだって別に自転車を目の敵にしているわけでもない。わざわざ喧嘩売らなくたって、自転車は健康に良くてエコだ~ってアピールするだけでも十分な気がします。
    で、そんな自転車が「安心」から「安全」に舵を切れるように、社会インフラを整備しましょーって方向で話を進めて行き、そのために自動車と自転車という「車両」同士がどうやって車道を共有できるかって議論したほうが建設的じゃないか、と。

    #個人的にはエコは嫌いだけど。


     ま、ちゃんといろいろと調べないと「反論」にはなりえないので、あくまで「素朴な疑問」止まりなんですが。

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    Category : 自転車本書評
    Posted by ゆげ1号 on  | 0 comments  0 trackback

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