softtail.log | 自転車でのポタリング日記と自転車話+α

    イタリアの自転車工房物語

     I can't stand your ignorance any more の訳を「私はあなたの鞭に我慢できない」って誤変換されて妙に納得してしまったゆげ1号です。


     前回シマノ本を読んでから自転車業界とか歴史にちょいと興味が湧いてきた流れでたどり着いたこの1冊。この本はとても面白かったです!

    イタリアの自転車工房物語―49の自転車工房と5つの自転車博物館&教会を探訪 (ヤエスメディアムック―CYCLE SPORTS (136))

    イタリアの自転車工房物語―49の自転車工房と5つの自転車博物館&教会を探訪 (ヤエスメディアムック―CYCLE SPORTS (136))
    (2006/03)
    砂田 弓弦

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     主に1998年~2002年くらいまでに著者がイタリア各地に点在している自転車工房を取材したものを1冊にまとめた物らしいのですが、それぞれの工房を構える職人たちの佇まい、自転車に対するこだわりを非常に巧みに取材しています。雑誌の連載をまとめたものだそうですが、1つ1つの記事がとても丁寧に書かれていて、読み応えありまくりです。

     デローザ、ビアンキ、コルナゴ、GIOS(本国では「ジョス」と読むのが本当らしい)、谷垣元財務大臣お気に入り(なんてことは本書には書いてませんが)のチネリ、ピナレロといった日本でも有名なビルダー/メーカーから、懐かし(私は暦が浅いのでわかりませんが)のロッシン、アラン、マージといった工房、さらには日本にはまったく入ってきていないものまで丁寧に取材されており、美しい写真とビルダーたちの肉声がぎっしりと詰まっています。

     
     個人的に面白かったのは、ちょうどこの取材が行われたであろう98~02年あたりに、従来のクロモリに代わって台頭してきた「アルミフレーム」やこのころ少しずつ登場してきた「カーボン」に対して、それぞれのビルダーたちがさまざまなスタンスを取っていること。概ね皆さんともアルミにはあまりいい顔していませんが、悲しいかなこのタイミングで潮流を見誤った工房はその後の淘汰に飲み込まれてしまっている場合が多いようです。

     もちろんそれだけではなく、この時期は世界的に自転車業界そのものがとても厳しい状況だったようです。例えば、この時期のシマノの株価を見ても明らかに「真冬」です(リンク先はyahooの株価情報です)。まぁイタリアのアルチジャーノたちは「シマノ?そんなのつけられっかい!イタ車にはカンパだろーが!」てな感じみたいですが。

     
     なかなか隔世の感というか諸行無常ですな。
    でも、潮流っていったい何なんだ?実は流行とかというより、良い意味で「何を造るか」にこだわり過ぎずに顧客と向き合うスタンスも大事なんじゃないだろうか。今も生き残っている工房のオッサンたちは(全員ではないけど)意外なほどにユーザー本位な気がしました。

     でもって、やっぱりそんな中で頭角を現してくるのはアメリカや台湾のメーカーなんですねぇ。こんな言い方があっているかどうかはわかりませんが、やっぱりこの二国は真面目なんだなーって思います。


     もうひとつ、この本を読んで思ったこと。

    それはエディ・メルクスというレーサー(リンク先はwikiペディア)。本当に伝説的な人物だったようですが、デローザやコルナゴだけでなく名だたるアルチジャーノたちがこぞって「人物を評価」しています。めちゃくちゃ厳しい人だったようですが、こんな頑固親父たちにこぞって賞賛されるなんて、どんな人だったんだろう・・・新たな興味を持ちました。
     

     今、自転車人で連載されている、日本の職人達の取材企画「MADE IN JAPAN」も本当にすばらしいので、この本みたいにいつか書籍化してほしいですね。

    総評:読むとデローザ貯金したくなります(笑)

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    Category : 自転車本書評
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